ジェンダークィアとは?ノンバイナリー(Xジェンダー)とどう違うの?

ジェンダークィアとは?ノンバイナリー(Xジェンダー)とどう違うの?

LGBTにクィアを意味する「Q」が加わり、最近はLGBTQプラスと呼ばれているセクシャル/ジェンダーマイノリティ。
海外ではノンバイナリーやジェンダークィアであることをカミングアウトするハリウッドスターも増えています。

多様化するLGBTQ+の表現はどんどん複雑になってきています。
特にジェンダー・アイデンティティを表現する用語は区別が難しい場合があります。

必ずしも自らのことをラベリングする必要はありません。
しかし、他の人に自分について説明する時、共通認識されている用語があると便利です。

今回は、用語の意味合いとしても非常によく似ている「ジェンダークィア」「ノンバイナリー(Xジェンダー)」の区別についてご紹介します。

LGBTQ+を理解するにあたりとても重要な考え方があります。
ココロの「性」と恋愛対象「性」、2つの「性」を別もの、という考え方です。■ココロの性  :ジェンダーアイデンティティ  性同一性(性自認)
■恋愛対象の性 :セクシャルオリエンテーション 性的指向

ココロで自認している性をジェンダーアイデンティティ、
恋愛対象となるセクシャリティをセクシャルオリエンテーションと言います。

ジェンダークィア(gender queer)とは?

ジェンダークィア(gender queer)とは、ジェンダーアイデンティティが男女どちらも定まっていない、もしくはどちらとも定めていない人が自分を表現するために使う用語です。

男と女というはっきりと性別で決められた社会のルールや規則に息苦しさを感じる人、
時に男性・女性・どちらの性にも所属しないと感じる人はジェンダークィアかもしれません。

ノンバイナリー(nonbinary)とは?

日本ではXジェンダーとも呼ばれるノンバイナリー(nonbinary)。

ノンバイナリー(nonbinary)とは、ジェンダーアイデンティティが男女どちらでもない、もしくは第三の性であると自認している場合に使われる用語です。

生まれ持った性別とココロが一致しないトランスジェンダーの方は、
自らのことを男女の枠を超えた第三の性であると表現することがあります。

ジェンダークィアとノンバイナリーってどう違うの?

ジェンダークィアもノンバイナリーも非常によく似ている用語です。

どちらも、性別が定まっていない人や第三の性を表現します。
また、ジェンダーの総称としてよく用いられます。

ノンバイナリーがジェンダークィアより広義な意味を持つのか、ジェンダークィアがノンバイナリーより広義な位置づけなのか海外でも情報がまとまっていないのが正直なところ。

重要なのは、もしあなたが男性でも女性でもない存在であると表現したい時にどう説明したらいいのかという点。
ジェンダークィアとノンバイナリーどう使い分けたら良いのかご説明いたします。

ジェンダークィアは、生まれ持った性と性自認が一致している場合が多いです。レズビアンでボーイッシュな人を「ボイ」女性的な人を「フェム」と呼んだりしますが、「ボイ」はジェンダークィアに親しい存在かもしれません。
また、ジェンダークィアと自らを呼ぶ人は、自らを性別により定めていない人が多いです。

例えば、見た目は男性的だけれども女性な人は「”男”、”女”、”その他”なんて呼ばれようが気にしないけど、何かしらネーミングがあるとしたら”ジェンダークィア”かな。。」という感じのニュアンス。

ノンバイナリーは、自分が男性でも女性でもなく第三の性であると自認している人がよく表現する用語です。特に生まれ持った性と性自認が一致しないトランスジェンダーの方は、男女どちらの枠にも当てはまらないと感じる場合があります。その時にどちらでもないノンバイナリーであると自らのことを表現します。

ジェンダークィア/ノンバイナリーはいつから使われるようになった?

男女という性別の枠に当てはまらない「第三の性」があるとLGBTQ活動家が提唱しはじめたのが1900年代。
2010年頃ハリウッドスターがカミングアウトしたことによりジェンダークィア/ノンバイナリーという用語が広く使われるようになりました。

ディズニー・チャンネルで一躍人気歌手にのぼりつめたマイリー・サイラスは、
海外LGBTQのメディアOutでこう発言しています。

「私は男の子にはなりたくなかった」「何にもなりたくなかったのよ。人が男や女っていうような枠にとらわれたくなくなった、私は自分の感情を理解しなくてはいけなかった:女として生きていくことじゃなくて、性別の枠にとらわれていることが嫌いだったってことをね」

 

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また、マーベル初のレズビアンヒーローを演じているルビー・ローズは、
自らショートムービ「Break Free」を撮影。
女性らしい姿から入れ墨をいれたカッコいい姿に変化する動画話題になりました。

最近ではNetflix人気ドラマ「クィアアイ」のメンバーである、ジョナサン・ヴァン・ネスが、
海外LGBTQのメディアOutでノンバイナリーであることをカミングアウトしました。

ジョナサンは「昔から女性的な部分があったけど、言葉としてどう表現したらいいのかわからなかった」と言っています。

確かに、クィアアイの視聴者はジョナサンのことを何と表現したら良いのかわからないという質問をよくネットにあがっていました。ジョナサンがノンバイナリーであると公言したこで、納得した人も多くいるのではないでしょうか。

 

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ジェンダークィアとクィアの違い

さいごに、少しわかりにくいかもしれないので、ジェンダークィアとクィアの違いについてご説明します。

LGBTQの「Q」は性が定まっていない、もしくは迷っている人のことを示すクィアです。

クィアは、セクシャルオリエンテーションやジェンダーアイデンティティ両者において、
まだ自らを決めていない人のことを言います。

ジェンダークィアは、ジェンダーアイデンティティにおいて、
定まっていない人のことを言います。

また、クィアは「クィアなパーソン」や「クィアなファッション」「それクィアだね!」だとか、
会話の中で使われる機会のほうが多いです。

変化し続けるLGBTQ用語

多様化するLGBTQ+の表現はどんどん複雑になってきている一方、
ジェンダーを表現する用語はまだまだ足りないという声もあります。

ジェンナーアイデンティティは、誰かを定義づけるためではなく自分のことを表現するための用語です。
もし自分がこうであると、腑に落ちる用語があれば使えばいいし、使わなくても良いのです。