Xジェンダーとは?米国では運転免許証や出生届に第三のジェンダー「X」と記載できる!?

Xジェンダーとは?米国では運転免許証や出生届に第三のジェンダー「X」と記載できる!?

2019年1月1日よりNYC(ニューヨーク市)では、
出生届けに男「M」女「F」ではない、第三のジェンダー「X」と記載できるようになった。

NYCで生まれた赤ちゃんは、生まれ持った生物学上の男女という区分ではなく、
ノンバイナリー(ジェンダーアイデンティティが男と女で区別されない)として戸籍上登録が可能ということなのだ。

NYCと言えば、LGBTQ+人口が世界で一番多い市として有名。
今回導入されたジェンダー選択の自由は話題を集めている。

こちらは、ニューヨーク市長のビル・デブラシオのコメント↓

トランスジェンダーそしてジェンダーアイデンティティが定まっていないNYC市民には権利がある。
自分のアイデンティティを決める権利、彼らの人生を尊重と尊厳をもって生きる権利。※意訳してます

“Transgender and gender non-conforming New Yorkers deserve the right to choose how they identify and to live with respect and dignity,”(CNN)

米国で広がりを見せる性別記載の自由

実は出生届け等々に第三のジェンダー「X」を記載できるのはNYCが初めてではない。
他の州や市でも導入が進められているのでご紹介しよう。

オレゴン州:2017年7月
州として初めて証明書にXを記載できるように。それまでは証明書に男女を記載しなくてはいけなかった。

ワシントンD.C:2017年6月
市として初めて証明書にXを記載できるように。運転免許証やIDカードにXを記載できるように。

ワシントン州:2018年1月
出生届けを第三のジェンダー「X」へ変更できるように。新生児については、男女の区分で記載される。
18歳以下が出生届けを第三のジェンダー「X」へ変更するには保護者の許可&医者の判断が必要とのことだ。

カルフォルニア:2018年9月
カルフォルニア州の州民は”ノンバイナリー”として証明書&出生届に記載できる。

ニューヨーク市:2019年1月
出生届けに第三のジェンダー「X」を記載できるように。

メイン州:2019年6月導入予定
ワシントン州と同様に運転免許証やIDカードにXを記載できるようになる。

第三の性別Xとは?

セクシャルマイノリティというと、
よく知られているのは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの略となっているLGBTではないでしょうか。※最近ではLGBQ+と呼ばれています。

LGBTQ+を理解するにあたりとても重要な考え方があります。

セクシャリティ「性」は、一概に生まれてきた性別だけでは判断できない。
というのが、LGBTQ+の前提となる考え方です。

詳細は以下の記事をご覧ください↓
セクマイとは?LGBTQ+「性」の概念をわかりやすく図解。

例えば、生まれ持った性別と本人が自覚しているアイデンティティが異なる人のことをトランスジェンダーと言いますが、トランスジェンダーの方からすると証明書に自認していない性別を記載し、見せることは非常に苦痛なことだったのです。

第三のジェンダー「X」は、そういった生物学的な性別とアイデンティティとして自認している性別に乖離がある人へ向けた新たなジェンダーとして登場したのです。

Xジェンダーとは?

第三のジェンダー「X」が登場した背景にはもう1つ理由があります。

Xジェンダーなどノンバイナリーの存在です。

Xジェンダーとは、男性でも女性でもない個性やアイデンティティを有する人のことを言います。

一体どういうことなのか?

古くから人は男と女の2パターンの性別に区分するという考えが一般的だと思いますが、
最近は個人で自認しているアイデンティティが生物学上の男女という考え方に当てはまらないと感じる人が出てきてるのです。

彼らは日本ではXジェンダーと呼ばれ、
海外では主にジェンダークィアやジェンダーフルイッドなどと呼ばれています。

Xジェンダーは、トランスジェンダーになる間の時期で自分のアイデンティティに迷っている人、
男女どちらともとれるアイデンティティを有していて特定の性別で表現できない人など様々です。

「あなたのジェンダーアイデンティティは?」と問われて、
すぐ答えられない人はXジェンダーかもしれません。

Xジェンダーは、ジェンダーアイデンティティーが男女の区分に収まっていない人のことを言います。

ノンバイナリーとは?

先ほどノンバイナリーという単語が登場したのを覚えていますか?
ノンバイナリーとはどういう意味かご説明いたします。

セクシャリティ「性」は、一概に生まれてきた性別だけでは判断できない。
というのが、LGBTQ+の前提となる考え方です。

「性」は2つにわけることができます。

〇ココロの性  :ジェンダーアイデンティティ  性同一性(性自認)
〇恋愛対象の性 :セクシャルオリエンテーション 性的指向

先ほど登場したXジェンダーは、ココロの性、つまりジェンダーアイデンティティを示すもので、
恋愛対象の性、つまりセクシャルオリエンテーションを示すものではありません。

例えば、アイデンティティとしてXジェンダーと自認していて、
恋愛対象が「こういう人がすき!」と決まっている人もいるのです。

ノンバイナリーとは、このジェンダーアイデンティティとセクシャルオリエンテーションが定まっていない人のことを呼ぶ総称です。Xジェンダーはジェンダーアイデンティティが定まっていないノンバイナリーになります。

Xジェンダー以外にもジェンダーアイデンティティとセクシャルオリエンテーションがどちらも定まっていない「クィア」があります。

※呼び方
ジェンダーアイデンティティってカタカナが長いので日本語では性自認
セクシャルオリエンテーションもカタカナが長いので日本語では性指向

日本では性自認、性指向という表現の方がよくつかわれている印象があります。

日本ではまだ認められていないアイデンティティの自由

LGBTQ?Xジェンダー?第三の性「X」?

ここまでくると何が何だかわからなくなると思っている方。
確かに、「この人はこういう人!」という定義づけは難しくなります。

ただ、定義って必要なのでしょうか?

LGBTQ+は現在レズビアンやゲイなどと認知されているものの、
言葉がまだなかった古くよりゲイだと考えられる人が存在していました。

LGBTQ+の人の中には定義をされたくない、
全くの自由が欲しいと望む人も多数いらっしゃいます。

自分が思うような人生を送る。
そしてそれを尊重すること。

まだ日本ではあまり浸透していない考え方かもしれません。

徐々に浸透していくことを筆者は願っております。