プライド50周年記念!ストーンウォールの反乱にはじまったLGBTQ+の歴史を振り返る。

プライド50周年記念!ストーンウォールの反乱にはじまったLGBTQ+の歴史を振り返る。

日本でも同性婚を求め国を相手どり訴訟を起こすなど、
セクシャルマイノリティ(LGBTQ+)の平等な権利を求めるプライド運動が活発化してきています。

LGBTQ+のプライド運動は、1969年6月28日ストーンウォールの反乱がきっかけではじまりました。
それ以来、毎年6月はプライド・マンス(プライド月間)として、
LGBTQ+への理解と平等の権利を求め世界各地でプライド・パレードが開催されています。

そして、ストーンウォールの反乱から50年。
今年2019年6月はプライド・マンス50周年記念なのです。

私達は比較的LGBTQ+への理解がされやすくなってきた時代に生きています。
今があるのは、先代の方々が迫害を恐れず勇敢に声をあげたからです。

世界のプライドを数字でみる

法的に同性婚が認められている/認められていない国:28カ国/167カ国
戸籍上の性別の変更を認めている/認めていない国:90カ国/20カ国
LGBTQ+を差別から保護する法がある/ない国:52カ国/143カ国
性指向により兵役の有無が決定する国/決定しない国:175カ国/20カ国
LGBTQ+のNGOを立ち上げている/立ち上げていない国:168カ国/25カ国
LGBTQ+を守る組織がある/ない国:5カ国/188カ国

(参考サイト:Google

今回は、そんな勇気ある「プライド」の歴史を振り返ってみたいと思います。

1969年6月ストーンウォールの反乱:幕開け

ニューヨーク・マンハッタンの南西に位置する
ストーンウォール・インのゲイバーはゲイやレズビアンのたまり場だった。

当時、同性愛者の権利を守る法や制度はなく、
不当な解雇や同性愛を禁じる法(ソドミー法)が通用する時代だった。

自分を自由に表現出来る場所として、
ゲイバーはLGBTQ+コニュニティにとって憩いの場だったのである。

ゲイバーでお酒を取り扱うには、ライセンスが必要だった。
元々ゲイバーでお酒の取扱がNew York State Liquor Authorityにより禁じられていたため、
1966年にゲイバーでお酒の取扱が認められてもライセンスをもらずにお酒を提供をしているバーが数多くあった。

かつ、公共の場で同性愛者がわかる行為を行うことは法で禁じられていた。

警察はそこに目をつけ、ライセンスを保持していないゲイバーを狙い急な踏み込み捜査を日常的に行っていた。

GettyImage

ことの発端は1969年6月28日。

その日、午前3時頃スートンーウォール・インのバーにいつものように警察のガサ入れがはいった。
踏み込み捜査の名目は「違法なアルコールを所持していないか捜査する」ため。

バーに置いてあった違法なアルコールを見つけるや否や、
警察は強引に店の経営者を道に引きずり出し店員やゲストを13人逮捕した。

警察の度重なる踏み込み捜査に嫌気が指していた人々は、
警察に追い出されたあとも解散せずにバーの周辺にいた。

乱暴に連行していく警察官の行動に対して憤りを感じていたのだ。

そして、その瞬間がきた。

警官の一人が、レズビアンの頭を殴りワゴンに強引に入れようとした時、
その女性が傍観者に向かって黙ってみているのではなく行動をするように叫んだ。

彼女の声を聞いた人々は、糸が切れたように次々と小銭や小石やボトルを警察に投げつけた。
たったの数分で数百人を巻き込む暴動へと広がっていった。

しきりにストーンウォール・インに火をつけようとする暴徒化した人々を前に、
警察はバーの入り口にバリケードをつくった。

消防署などの助けもありストーンーウォール・インで非難していた人は助けられ、暴動も沈静化された。

しかし、その後5日間に渡ってデモ抗議が各所で繰り広げられた。

ストーン・ウォールの反乱は今ではLGBTQ+の活動の象徴として称えられている。
50周年を記念して今年モニュメント「stonewallforever」が設置され、
観光地として訪れる人も増えることが予想される。

しかし、実際にLGBTQ+の権利を求めプライド運動を起こしたのは、LGBTQ+を支援しているHuman Rights CampaignGLAAD 、PFLAGにはじまる組織や団体だ。

参考サイト:www.history.com

1970年6月はじめてプライド・パレードが開催される

ストンウォールの反乱から約一年後の6月28日。
アメリカのゲイの権利を訴えていた活動家フォスター氏(Foster Gunnison 1925 – 1994)とクレッグ氏が(Craig Rodwell 1940 – 1993)はじめてストーンウォールの反乱を讃えてプライド・パレードを実施した。

パレード名:Christopher street liberation day

GettyImage
参考サイト
Remembering Brenda: An Ode to the ‘Mother of Pride,’” The Advocate, Pride Publishing Inc., updated June 17, 2014.

1972年 世界で初めて性別の変更が認められる

世界ではじめて戸籍上の性別の変更がスウェーデンで認められました。

参考サイト
Chronological overview of LGBT persons rights in Sweden,” Government Offices of Sweden, Swedish Government, updated July 12, 2018.

1978年 レインボーフラッグの登場

1978年6月25日に開催されたサンフランシスコのプライド・パレードで掲げられたレインボー色の旗が、LGBTQ+のシンボルとなる。

パレード名:San Francisco Gay Freedom Day parade

参考サイト
How Did the Rainbow Flag Become a Symbol of LGBT Pride?,” Encyclopaedia Brittanica, Encyclopaedia Brittanica Inc., accessed May 1, 2019.

1982年 AIDsが病気として認められる

AIDsは、長い間「gay plague (ゲイの伝染病)」として扱われていました。
AIDsにかかったと公言した瞬間に人から避けられ人里離れた場所にいかなくてはいけなかったのだ。

参考サイト
AIDS: the Early Years and CDC’s Response,” Centers for Disease Control and Prevention, updated October 7, 2011.

1999年 トランスジェンダーの議員が当選

ニュージーランドで堺で初めてトランスジェンダー(MtF)のGeorgina Beyer(ジョージニア・ベーヤー)が議員となる。

参考サイト
Georgina Beyer becomes first transgender woman elected to Parliament in the world,” New Zealand History, New Zealand Government Crown Copyright, accessed May 1, 2019.

ーーーーここからは箇条書きで振り返りますーーーーーーーーーー

2000年以降プライド運動の動向

2000年 オランダではじめて同性婚認められる

2002年 イギリスでトランスジェンダーの結婚が認められる

2007年 ネパールの政府が「第三の性」について認知する

2015年 アメリカ最高裁にて同性婚が認められる

2017年 台湾で同性婚を認める判決がくだされる

2018年 インドで違法だった同性愛が認められるようになる

2019年 プライドが174都市46カ国で祝われるようになる