「ゲイ」と「ホモ」の違い。「オネエ」と「オカマ」の違い。LGBTQ+と混乱する用語を理解しよう。
今回は、日本語でLGBTQワードとして浸透している用語「ゲイ」と「ホモ」の違い&「オネエ」と「オカマ」の違いについてご説明いたします。
メディアの影響もあり、セクシャルマイノリティ(LGBTQ+)への理解が徐々に認知されていますよね。
LGBTQは以下の頭文字をとった総称です。
LGBTQとは?
Lesbain レズビアン
Gay ゲイ
Bisexsial バイセクシャル
Transgender トランスジェンダー
Queer or Questioning クィア or クエスチョニング
「ゲイ」と「ホモ」の違い
ホモはホモセクシャルの略
そもそも「ホモ」の略ですが、
同性愛者の英語訳「homosexual(ホモセクシャル)」からきています。
同性愛者の男性へ向けて使われる用語として「homosexual(ホモセクシャル)」は、日本だけではなく海外でも使われてきました。
「ホモセクシャル」という言葉が登場したのは、1868年のドイツのとあるパンフレットと手紙。
ドイツ語”Homosexualität”が綴られてものを英語に翻訳し、ホモセクシャルという用語が誕生したと言われています。
Karl-Maria Kertbeny coined the word homosexual in this 1868 letter. (引用元:wikipedia)
昔は、ホモセクシャルというと、男子校や女子校など同じ性別の”状態”を示すために使われていた用語でしたが、時代の変化とともにセクシャリティを表現する言葉として用いられるようになりました。
日本でいつ頃から「ホモ」という言葉が使われてどう広がっていったのかは定かではありませんが、wikipediaによると1965年には日本の男性向け週刊誌に「ホモ」という用語の掲載が確認できるので、少なくとも50年前以上から用語として存在していたと考えられます。
1965年(昭和40年) – 『平凡パンチ』(2月15日)に「クールなセックスの時代 同性愛-なぜホモにあこがれるか」掲載。これ以降同誌で同性愛関連記事が増える(平凡パンチタイトル一覧:詳細欄参照)。平凡パンチ以外の戦後の一般誌の同性愛記事については (引用元:wikipedia)
ゲイとホモの違い
ゲイとホモはどちらも同性愛者、特に男性に対して使われる用語です。※現在は性別関係なく「ゲイ」は使われます。
ゲイとホモの違いは、差別的・軽蔑的な意味合いか否かです。
「ゲイ」という言葉が浸透する前は、同性愛者に対して「ホモセクシャル」という言葉が使われていましたが、
「ホモセクシャル」や「ホモ」と呼ぶのは軽蔑的・侮辱的な意味合いを含んでいます。
同性に性的魅力を感じる同性愛者「ホモセクシャル」は、昔は「心の病」として認識されていたため病院等医療機関で使われる専門用語的なニュアンスが強くありました。
それに違和感を感じた、若者がメディアを通じて1960年代に「ゲイ」という言葉を使うようなったのです。
「ゲイ」と「ホモ」ではニュアンスが全く違う
「ゲイ」は元々楽観主義や自由気ままなといった意味を有する単語でした。
現実主義・真面目な異性愛者「ストレート」の対義語として使われ始めたのが「ゲイ」。
その後、イギリスのコメディアンなどテレビ等のメディアが「ゲイ」という単語を異性愛者へ向け使用したのが、きっかけとなり、「ゲイ」は同性愛者のことを言う用語として浸透してきたのです。
言葉の歴史を読み解くと、なぜ「ゲイ」が主流となっていて「ホモ」が侮辱的なニュアンスを含むのかわかりますよね。
「オネエ」と「オカマ」の違い
オネエとオカマの詳細に入る前に、違いをはっきりとさせておきましょう。
「オネエ」と「オカマ」の違いは、定義の違いと言葉のニュアンスが軽蔑的か否かです。
「オネエ」は女性的な表現をする男性のことを示し(主にゲイ男性)、
「オカマ」はフェミニンな男性であれば異性愛・同性愛関係なく用いられる用語。
「オカマ」は軽蔑的な意味を含む場合があるため、あまり呼ばれて喜ぶような用語ではありません。
オカマとは?
オカマという言葉は実は江戸時代からきています。
wikipediaによると江戸時代では「肛門を意味する」言葉として「オカマ」が使われていたそうです。
オカマという言葉の使われ方は、時代とともに変化しています。
- 戦後「女装をしている男性」へ向け軽蔑的な意味で使われていた。
- 1971年頃「女装をしていない同性愛(ゲイ)男性」へ向けても使われはじめた。
- 1980年頃「異性愛でもフェミニンな男性」へ向けいじめの用語として浸透した。
こうやって「オカマ」という用語は、最終的に同性愛でも異性愛でもフェミニンな男性へ向け使われる用語になったようです。
確かに筆者は1980年生まれですが、
女性的な話し言葉をする男性へ向け「オカマ」と呼ぶ子どもたちがいたのを記憶しています。
「オカマ」という呼び方は軽蔑的・侮辱的な意味を含んでいる場合があります。
あまり呼ばれていい気持ちになる方はいないと認識しておきましょう。
実は「オカマ」が軽蔑的か否かについては賛否両論。
何故かと言うと、1975年にデビューしたおすぎとピーコさんなど芸能人が自身のことを「オカマ」と呼び広くお茶の間にを賑わしていたので、あながち悪い用語とも言い切れないからかもしれません。
オネエとは?
オネエとは、「オカマ」の代替用語として登場したと言われています。
「オネエ」はゲイのコミュニティで女性的な発言や表現「オネエ言葉」にちなんでいる。
一般的に、ゲイ男性でもオネエ言葉を使わない人が多く、心が女性である男性(主にゲイ男性)のことをオネエと呼ぶ。
心は女性でも見た目は、女性的・男性的・中性的など様々。
オネエというと誰を思い浮かべますか?
マツコ・デラックスさん、クリス松村さん、ミッツ・マングローブさん、はるな愛さん、楽しんごさん。
芸能人を通じて、私達は数多くの「オネエ」と呼ばれる人々に触れ合う機会があるわけですが、
見た目は男性的で心が女性なクリス松村さん、見た目が女性的で心も女性的なはるな愛さん、普段は女装をしていないというマツコ・デラックスさん、全く系統が違います。
オネエをちゃんとLGBTQ+で表現するとこうなる
実はLGBTQ+は一言「オネエ」で区別できないくらい多様です。
ココロの「性」と恋愛対象「性」、2つの「性」を別もの、という考え方です。
〇ココロの性 :ジェンダーアイデンティティ 性同一性(性自認)
〇恋愛対象の性 :セクシャルオリエンテーション
見た目は男性的で心が女性なクリス松村さんの場合
ジェンダーアイデンティティ:女性
セクシャルオリエンテーション:ゲイ
見た目が女性的で心も女性的なはるな愛さんの場合
ジェンダーアイデンティティ:トランスジェンダー
セクシャルオリエンテーション:ゲイ
普段は女装をしていないというマツコ・デラックスさんの場合
ジェンダーアイデンティティ:男性+ドラァグクイーン(女装家)
セクシャルオリエンテーション:ゲイ
また最近では、りゅうちぇるがオネエキャラとして活躍していますよね。りゅうちぇるさんは身振り手振りは非常にフェミニンですが恋愛対象は女性です。ペコさんと結婚して、お子さんもいますしね。りゅうちぇるさんの場合
ジェンダーアイデンティティ:女性
セクシャルオリエンテーション:ストレート
珍しく異性が好きなオネエとして登場しています。
こうなってくると、「オネエ」と呼ばれている人のことをなんと呼べばいいと思いますか?
実は呼び名なんていらない説
「オネエ」という呼び名は正直テレビなど大衆に向かってわかりやすく表現するための用語という認識をしていましょう。
正直テレビで、ジェンダーアイデンティティはこうで、セクシャルオリエンテーションはこうと説明をしていたら混乱が起きるのは想像できます。
この記事に目を触れる機会があなたは、正しくは「オネエ」という一括りではないことを認識しておいてほしい。
例えば、生まれた性別は男性のモデル、佐藤かよさんは元トランスジェンダーで今は性転換手術を受けカラダも完全に女性となっています。戸籍上はまだ男性だという彼女のことを「オネエ」と呼びますか?
佐藤かよさんをオネエと呼ばないなら、なぜはるな愛さんはオネエと呼ばれるのでしょう?
こう考えていくと、確かに「オネエ」という呼び名は正しいのかと疑問にもなるわけですよね。
とにかくその人にとって失礼にあたいしない呼び方を心がけてほしいというのが筆者の願いです。
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最近では、「オネエも差別用語だ」という声もありますしね。
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