LGBTQのシンボル、レインボーフラグとは?虹色に込められた意味

LGBTQのシンボル、レインボーフラグとは?虹色に込められた意味

レインボーフラッグと言えばLGBTQプライド運動!
毎年6月はプライドマンスとしてプライドパレードが各国で開催されていますが、
そのシンボルとなっているのが虹色のレインボーフラッグ。

今回は、レインボーフラッグがどうやってLGBTQのシンボルとなったのか、
そのカラーに込められた意味についてご紹介いたします。

レインボーフラッグといえばこの6色!

現在よくLGBTQのシンボルとして使われているレインボーフラッグはこちら。
赤、オレンジ、黄色、緑、青、紫です。

 

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LGBTQを応援する企業もこのレインボーカラーを使った商品をリリースしています。

LGBTQを支援しているブランド企業10選!プライドマンスの新商品をチェック!2019年6月プライドマンス50周年記念!

レインボーフラッグは誰のデザイン?

現在のレインボーフラッグの原型となるフラッグが登場したのは1978年。
当時LGBTQ活動家だった、ギルバート・ベイカー(Gilbert Baker)によってつくられました。

ギルバート・ベイカーは、アメリカの芸術家であり、ゲイの権利を訴えるLGBTQ活動家です。

元々アメリカ軍に在籍していたギルバート・ベイカーは除隊後、
縫製の技術でゲイの人権活動や反戦運動のマーチで使われるバナーを制作していました(wikipedia)。

どうしてギルバート・ベイカーはレインボーフラッグをデザインしようとしたのでしょうか?
レインボーフラッグが誕生する前に使われていたピンク・トライアングルについてご紹介します。

ピンク・トライアングルとは?

1969年6月28日NYCのストーンウォールの反乱がきっかけではじまったLGBTQの人権運動は、
1970年代にサンフランシスコでも活動が行われるようになりました。

現在も一部使われていますが、当時人々がプライド活動に使っていたシンボルはピンク・トライアングル。実はこのシンボルは、国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)が強制収容所で使っていたマーク。

収容された同性愛者(ホモセクシャル)を区別し迫害するために用いられていたこのマークが、後にゲイ・コミュニティによって愛されるようになりプライドのシンボルとして使われていた。

 

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www.thepinktriangle.com

ピンク・トライアングルは、今もなおゲイ・プライドのシンボルとして愛されているものの、ナチスによって作られた迫害のための印であったことには変わりありません。

人々はもっと自由に自分のことを表現するシンボルが必要だと考え、
LGBTQのプライドを象徴するデザインをつくったのが、ギルバート・ベイカーだったのです。

ギルバート・ベイカーはNBCのインタビューでこう発言しています。

私達が自ら作った何かが必要だった。
フラッグ、シンボルだけではなく意味のある何かが。
フラッグ、世界中で新しい国家を生み出すための。
私達は言葉では表現できない何かが必要だった、
そしてレインボーはその表現にぴったりだった。We needed something from us
Flags that mean something not just symbols
Flags that mean another nation in a global tribe
We needed something beyond words and the rainbow fits perfectly

レインボーフラッグ1978年6月25日初登場

レインボーフラッグは1978年6月25日にサンフンシスコで行われたゲイフリーダムパレードで初登場しました。

ギルバート・ベイカーは、政治家そしてゲイ人権活動家だった友人のハーヴェイ・バーナードとレインボーフラッグの製作を手がけます。

最初のフラッグはボランティアを募り手作りで作られたというレインボーフラッグ。
元々レインボーフラッグは現在の6色よりも2色(ピンク&ターコイズ)多い8色から構成されていました。

 

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各色の意味をみてみましょう。

レインボーフラッグ色の意味

レインボーフラッグの虹色はギルバート・ベイカーによって各色に意味がつけられています。

ピンク: sex セックス(セクシャリティ)
赤: life  生命
オレンジ: healing ヒーリング(癒やし)
黄色: sunlight 太陽
緑: nature 自然
ターコイズ: magic 魔法
青: harmony  ハーモニー (調和)
紫: spirit(精神)

この8つの色をした、レインボーフラッグは1978年6月25日にサンフンシスコで行われたプライド・パレードで使わましたが、後に大量生産の都合により、ピンクとターコイズはなくなりました。

そして現在主流となっている6種類のレインボーフラッグが誕生したのです。

LGBTQのシンボルとして確立

レインボーフラッグがLGBTQのシンボルとして確立したのは1994年。

ギルバート・ベイカーはその年、ストーンウォールの反乱25周年を記念し最長1マイル(約1.6キロメートル)のプライドフラッグをつくりました。

サンフンシスコで行われたゲイフリーダムデイパレード(Gay Freedom Day parade)で披露された、長いプライドフラッグは世界中の話題を集め、プライド=レインボーフラッグと人々に記憶されたのです。

alankleincommunications.com

そして更に、ギルバート・ベイカーは2003年に世界最長のレインボーフラッグをつくりました。この時の長さはなんと1.25マイル(2キロメートル)。

サンフランシスコの海岸から市内まで続く長いレインボーロードを空中から撮影した写真は世界中の話題となりました。

fla-keys.com

ギルバート・ベイカーは2017年65歳の時に亡くなりました。
彼は「人生においてもっとも重要な役割だと思った」と当時を振り返って言っています。
そんな、ギルバート・ベイカーが残したレインボーフラッグは世界中のLGBTQ活動に使われ人々から親しまれているのです。

“We needed something to express our joy, our beauty, our power. And the rainbow did that,”
私達には喜び・美しさ・力を表現する何かが必要だった。そしてレインボーがそれをやってくれた。

MoMA×レインボーフラッグ

2015年6月26日同性婚がアメリカ全土で認められたことを記念し、ギルバート・ベイカーによってつくられたレインボーフラッグがMoMA(ニューヨーク近代美術館)に贈られました。

www.moma.org
2015年6月26日アメリカの最高裁は憲法が同性婚をアメリカ全土で認めることを保障し、
同性婚を禁じている州の法律を無効化しアメリカ全土50州に対して同性婚を認めさせた。

2019年最新!法的に同性婚が認められている28カ国!各国が認めてきた同性婚の歴史を学ぶ。